太陽が沈みかける頃になると、気温はぐんぐん下がってくる。真冬が来たら引っ越しかーー、今回を本当の最後の引越しにしたい。もう、手に負えないので全部を引っ越しのプロに頼む予定。部屋は箱詰めしかかっているものが小山を作っている。やがては一つの山脈になるわね。何時ぞやの引っ越しのまま一度も開けていないものも。時間のある時の箱詰めは気分上々、何となく楽しい。ニューヨーク市内に戻るのも嬉しい。
翌週の10月18日は、O氏のスキャンとMRI。放射能を含むシュガーを飲まされ、身体内部のどこにそのシュガーが付着するかで、生身のがん細胞の行方やら状態を察知するわけ。それと、途方も無い磁石マシーンで脳細胞の腫瘍の様子も見る。前回は大丈夫だったし、定期的な検査は換言すればその都度放射能を浴びている、ことになる。検査とダメージと副作用の負の連鎖、と捉えるか、検査と小康状態と休薬・減薬と祈るか。明るく諦め、淡々と書くだけにしたいS君。
皆、O氏やS君のお友達は素晴らしい、いわば頼りになるお医者さんになってくれるのね。それぞれの体験や経験、知恵も知識もシェアしてくださるし相談にも乗ってくれる。”だから、これこれは良いよ” ”これこれは食べた方が良いよ” ”これこれは回避してストレスも減らして” ”これこれの治療で助かった人がいたよ” ”全ては寿命だよ” ”これこれで楽になったよ” ”生き延びたよ” など数限りなくこれまでもあらゆるありがたい言葉を受け取った。こうした言葉はきっと、目には見えないけど ”愛”のお薬ですね。まずは血流と気の流れに集中。
、、、ただ、、ある女性は、”私は素晴らしい。皆がそう言ってくれる。あらゆる経験と知識がある。私の大切なO氏を救えるのは唯一、私だけ。バカな日本人(S君のこと)にO氏の介護などできるわけない。こんな無能は放っておいて私に任せなさい” という大変、、アレな困った人もいる。ともあれ、全てはS君がこうした現象をどの視座・レベルで把握し、どのような対応をするか、どのみち相手は決して変わらない、のは間違い無いのだからS君自身を変えるべきだ。助かるとか、助けるとか、そうじゃなかろうと、なんであれ、もう大天界に任せてしまおう。
〜〜〜〜〜〜〜 続く