O氏の治療歴, そして今これから。その26

9月6日、先週は 血小板数の値が低かったが、今日はノーマルということで、タクソル・キモセラピー3回連続の1回目。ALPは緩慢ながら数値が下がっていて(2週間キモを取らずとも数値が下がっている、のにどうしてキモなんぞを打たせたいのかしらねー?謎)やっぱりうれしい。さらに気をつけている食事と足踏みマットの効果だよ、と言いたい気分。O氏がお医者様や病院に最大限 信頼を寄せているのだから放っておこう、といつも思うのに でもさー、、の繰り返しはS君にとって緊急になんとか心に折り合いをつけたい課題なのです。

9月7日、腹腔穿刺【ふくくうせんし】のため、4時ちょっとの早朝バスで病院に向かう。腹水の溜まっている状態での生検はかなりのリスクを負う、らしいので、初めの予定通りに腹腔に溜まっている水分を抜くわけです。O氏はいささか緊張気味、珍しくS君に突っかかる、けれどS君はお手のもの。かつてS君の実父母もそうだったけど、ことに治療中や入院中 患者は家族やケアギバーに(恐らくは気安さとか安心感からか)わがままや意地悪を言うこともよくある話。

局所麻酔なので数十分、O氏はポトポトと管を通って排出される水音をずっと聞いていたって。健康な人でもいくばくかの腹水は当たり前のようにあるらしい。O氏は、いわば異常に水が溜まってしまっている状態なので今回のように検査あれこれで、どうしても抜かねばならないわけ。都合、1リットルほど抜きました。見た目はまだ膨らんではいるものの、随分と落ち着いたかね。それまではちょっと呼吸が苦しそうだった。

数日は安静にして様子を見るらしい。かなり大きい穴がお腹に開けられたかと危惧したものの、すぐに塞がったものか、お腹にひっつけられていたバンドエイドの端の、かぶれの発赤の方が痛々しい。病院を出るなり大食いのO氏に早変わり。帰りは日本の惣菜屋さんの生姜焼き肉弁当を食べ、ドーナッツを食べ!!S君にしてみれば、手術に耐えた子供に、今日は特別大目に見てあげましょう、との母親の心境。

とはいえ、ほぼO氏が S君の父親や母親を演じてくれるので、こうしてS君は徐々にインナーチャイルドを癒しつつあるのだけど、逆の立場でいえば、S君は単に鞭と鞭、または、飴と飴、の対応になってしまうんだろうか。どうも、O氏の癌発覚以来 この人への接し方をしっかり体得してないのかしら、とS君は身震いする。 〜〜〜 続く