O氏の治療歴, そして今これから。その18

2022年6月21日、化学治療・キモセラピーの ”タクソル” 98 mg 注入の5回目である。朝、ニューヨーク市に向かう中距離バスの中で、ふと、S君に何かが降りてきたような感覚。すぐさま、それをO氏に伝える;あのさー、多分今日の血液検査で ALP の数値がすごい減っていると思うよ。直感なんだけどさ。するとO氏はニコニコして、うん、なぜか僕も調子いいなあって思うんだよね、とのこと。

おい、おい!この状態はやはり 化学”タクソル” が影響しているのか、キモセラピーに暗示かけられているだけなんだよ。そんなふうに、つい最近までのS君はザワザワと自らうるさくして何事も否定的に懐疑的に捉える人でもあった。でももう今は、ひとえに明るいイメージ。瀕死の肝臓君がそれでいいよ、今はね、と言っているようなものだから、必然的にO氏の意識は少し軽くなっている。S君はそれでも気は抜けない、だって、副作用は突如襲うし壊滅的になる、、、ま、いいか。

で、有難いことにALPの限りない数値の減少が今日現実に!まだもちろん、危険水域であるけれど、一息を付けられそうかな。というのが今回の結論。S君が初耳だったのは、この”タクソル” キモセラピーは、3回(1週間に一度)をワンサイクルと呼び、サイクルとサイクルの間に1週間の休暇(笑)を与えられ、次のセカンドサイクルに進む、そして終了、と理解していたので、さらにもう一つ、合計3x3=9回(3サイクル)の治療になると決定されてしまったなんて!! 主治医の検査ではALP数値と減り方の兼ね合いで、もう一つサイクルが重要らしい、そうです。ということはあと4回残されているんですね。

ほぼツルツル頭と眉毛とまつ毛なしのO氏、、やっと半分の道程を終えたばかり、、そうなると、キモの9回終了時には全身ツルツルの、よくある宇宙人そのもののイメージになってしまうかもしれない。(ごめんなさい、S君の会った”宇宙人” という現象はその辺の当たり前の人間の姿に擬態している、か、昆虫そのものの見せ方だったのです。なので、宇宙人の捉え方は10人10色の個々の解釈なんだと思う。)

おしゃべりしていたら、O氏本人は若い頃に ビパッサナ瞑想 をやっていたこと(それを今知ったS君!!!)若くやんちゃな頃はパンクロッカーで楽器を弾き、その頃から、ま、(割愛)様々な影響もあり本人の趣向や興味もあり (割愛)ただ、気をつけつつずっと生きてきたけれど、それはさておきO氏は昔から風邪をひくと治りは早いが咳は数ヶ月、それをS君は知っていたものの深く心配してこなかった。大陸横断ドライブでも、O氏は眠気覚ましに不慣れな強いタバコを吸ったっけ。懲りずに、大型トラックでのアリゾナ引っ越しまでやってしまったんです。やはりタバコが運転中の目覚ましがわり。

無茶も過ぎる、大概にしてくださいよ。二人とも、気負いばかりで全く身体に敬意を払っていなかった。。。喧嘩もたくさんしてきたし過半数はS君にも責任あるのは明白。このO氏の病気がキッカケで、さらに二人は双方の気付きと赦し(許し)を促される。

面白いことに、心が軽くなると、それをサポートするかのようなことがやってくる。”治療”という状況が縦横無尽にその見えざる触手を伸ばし、あらゆるカテゴリーと繋がり、小心者のS君などはどうしよう、あたしが死ぬまでにどこまでこの奇跡としか思えないあたしたちの存在・現象界を理解できるだろう、とため息をつく。例えば、ガンの歴史、を調べると途方も無い太古にそのミイラからガン腫瘍の痕跡が発見されているそうだ。それは即、人類発祥の歴史も地球の歴史も宇宙の成立も全てが絡んでくる。

〜〜〜続く