O氏の治療歴, そして今これから。その11

さあて、いよいよ現在形に近づいてきました。

2021年の暮れから2022年幕開けもO氏の浮腫みとの戦いは果てがない。ありがたいことに、O氏の両手首の腫れと痛みは、動かしすぎぬよう細心の注意でいたことや、同様に無理に動かさないよう気をつけていた日々が功を奏し、だいぶ楽になってきた模様。

足のむくみは相当なもので、それゆえにO氏はS君に両足を見せたがらないし、寒い季節はどうしたって長ズボン。なのでうまいことS君に隠していたのだろうか。S君はネットで調べた浮腫のツボ押しだの何だのを試みるのだが、押した跡がそっくりそのままでかえって痛々しい。

イベントあれこれで忙しさが重なる頃、S君は3月上旬に一枚のレシート発見!帳簿付け担当なので、それまで見たことがないレシート。いつの間にか、O氏は薬局で液体絆創膏というのを買っている、どこに処方した?? それよりも前に、パンパンのO氏の左ふくらはぎに怪しい水ぶくれ出現。浮腫みきってとうとう内部から溢れてきたかのような、そのちょっとした大きさの水泡にS君は気がついていたものの、火傷や皮膚の傷にはキダチアロエがよく効いたこともあり、破けたら即、アロエで処方してなどと気楽に構えていた、その判断を誤っていたものか。。

『ちょっと見せて、あの水ぶくれ』とS君はシャープに尋ねる。『うん、、、大丈夫なんだよ、ただ血が出てきたから大至急液体絆創膏でーー』。観念してO氏は左足ふくらはぎを見せる!!!!形容しがたい惨憺たる有様ということでよろしくお願いします。既にリサーチはしていたので、唯一言えるのは、重度の蜂窩織炎(ほうかしきえん)ということ。有無を言わせず即病院。

もちろん、主治医はその日からしばらくこの皮膚の深部炎症が完治するまで分子標的治療薬・ターゲットセラピーの ”ローブレナ” をお休み、との通達。実のところ、この薬も副作用の一環で浮腫みや肝臓に障害が出る、ことも十分に推測できるわけ。それまではO氏もS君も夢見心地に、『このまま、ガンが落ち着いて増えることも成長することも転移することもなければ、一病息災で良いからローブレナの減量とか休薬、断薬に向かえるように食事のバランス、運動などももっと真剣に考えようね』などと言い合っていたし、きっと願いは通じると今も思っています。

その日の検診でローブレナを緊急ストップ、これが3月14日のこと。(昨年の5月21日から欠かさず服用していたが約10ヶ月で一旦休止。)どのような新薬も、患者側の身体に耐性ができてしまうと効果が無くなるのみならず重篤な副作用発生、という結末を迎える。今回は、一旦副作用治療のための休薬らしい。

俗にウオーターピル、と呼ばれる ”フロセマイド”を早速服用。毎日一回、20mg。身体の不要な水分を外に排出するらしい。O氏においては両足の浮腫への処方箋、これが3月16日のこと。奇跡的に、蜂窩織炎の部位はみるみる回復し出し、惨憺たる状況もまさに時々刻々表面が乾いてくる 〜 うっすらとカサブタらしきものが表面を覆う〜 ピタッとカサブタで覆われる〜 凹んだ状態だったカサブタそのものが盛り上がってくる〜 ある朝、カサブタが剥がれうっすらと健康なピンク色の皮膚が現れた。

〜〜〜〜続く